他の蔵とはちょっと違う、観光を支える蔵
入江豊三郎本店のある、鞆の浦に訪問した際、少し驚いたことがありました。
この記事ではそんな鞆(とも)を訪問した、探訪記を書いていきたいと思います。
鞆の浦とは
鞆の浦は、広島県福山市にある“鞆”という地域の地名のひとつです。瀬戸内海に面した港でとても趣がある場所で、今でも細い道と昔ながらの木造の家が多く残っています。
江戸時代の大きな港では必需だった3つの設備が現存している唯一の場所とも言われ、建物も漁師町というよりは、商家街というような趣の地区も多く見られます。
詳しくは、鞆の観光サイト、『鞆物語』をご覧ください。
https://tomonoura.life/
鞆のある福山市の酒造事情
福山市内では、今、日本酒を製造している蔵は現在、1軒だけだ、と友人からの紹介で教えてもらった酒屋さんでききました。その時、ふと思ったんです。
「え?えぇ?!日本酒蔵より、本みりんを作ってる蔵の方が福山市内では多いってこと??」
びっくりです。本みりんを醸す蔵は、全国で50程度。一方、日本酒の蔵元は1100程度と言われています。日本酒の22分の1しかない本みりんの蔵のはずなのに、福山市では、“日本酒蔵が本みりん蔵の数からみて、2分の1だなんて、どういうこと?(笑)”となったわけです。ちなみに、鞆の浦には入江豊三郎本店から徒歩5分のところに、もう1軒の本みりんを醸す保命酒蔵があります。
もちろん、それが理由でリキュール蔵の登録が福山国税局の管轄には5軒あります。アルコールを含む保命酒は、酒税法の下、管理・管轄されるものであり、区分は【リキュール】に相当します。なので、件数からしてもリキュール製造の免許を持っている蔵元は、福山国税局の管轄下では、ほとんどが保命酒を造っている鞆の浦の蔵といって過言ではありません。
つまりは、規模も製造元数も、
日本酒蔵<本みりん蔵<保命酒蔵 なんですよね。
鞆の浦は。
…って、なんじゃこりゃ!
他にもみりんを用いて造られた薬酒の蔵元はありますが、ここまで広がっている薬酒は初めて見ました。普通は全く逆です。製造量も全て、日本酒が多くて、薬酒が一番少ない。
訪問前は、どうしてなのか全然理由がわからず、ずっと、なんじゃこりゃ謎だ…と思っていました。
その疑問を抱えたまま、入江豊三郎さんの前に行ってさらにビックリ。向かい隣近所で5軒も保命酒を販売しているのを発見してしまいました。
思わず叫びましたよね。
「いや、ちょっとぉぉぉどういうことぉ!スマホどこ、ねぇどこ!」
もう撮らずにはいられませんでした。