入江豊三郎本店の本みりんによく合う食材
本みりん、といっても全国には50ちょっとの蔵元があります。本みりんもお酒なので、製造元ではなく、蔵や蔵元と呼びます。その、ほとんどの蔵元から集めた結果を申しますと、
“同じ味の味醂なぞない!”とうことでした。合う食材、使うと活きいきする料理がそれぞれのみりんによって違います。
この記事では、色々な入江豊三郎本店の本みりんに合う!と思った食材を紹介します。
そもそも入江豊三郎本店の本みりんって他と比べてどんなみりん?
本みりんには、いろんな色のみりんがありますが、年数が若いと霞がかったレモン色、そこから3~4年がきれいな金色、その後は段々茶色くなっていきます。熟成させるとそれでいいかというとそうでもなくて、5年以上経過すると、中には料理がすべてそのみりんの味に染まってしまう程濃くなってしまいます。
入江豊三郎本店のトモエ本味醂は、若い年数の本味醂と少し寝かせた本味醂のブレンド。それにより、味に深みがありながら、適度な軽さと味の広がりで、素材の味をしっかり活かしながらも旨味や甘味を加えられる造りです。また、別の記事でも書いたように、醸造アルコール仕込みの長所である、クセの少なさが、その良さをより際立たせています。
保命酒になって薬草やスパイスが漬けこまれても、それは同じで、軽やかな甘さでありつつも、薬膳の香りがしっかりと伝わる仕上りになっています。
では、ここからは、全体の特徴ではなく、もっとピンポイントで特徴をお伝えしましょう。
合う食材その1:お酢、レモン等の柑橘
本みりんの中には、焼酎に個性があったり、旨味成分が非常に多かったりする場合に、本来そこまで強くないはずの酸味が、旨味によって押し出されるように、味として汲み取りやすくなってしまい、その押し出された酸味が、お酢やレモンなどの酸味とケンカしてしまうことがあります。
しかし、入江豊三郎本店の本みりんはそのようなことはなく、酸味との相性が抜群です。また、他の本みりんでは、柑橘類でも相性の優劣がでるのですが、どの柑橘類でも非常においしく仕上がります。ジャムやコンポート、ケークシトロンなど、他の銘柄のみりんで作って食べた瞬間、“材料よ、ごめん!入江さんの本みりんで作らなかった私がバカだった!”と思うことが何度もありました。
レシピでも今回、身体がよじれるほど美味しい、でも簡単な、レモンジャムのレシピを取り上げていますが、これまでに金柑のコンポートや日向夏ジャム、オレンジのケークシトロンなど作ったことがあります。すだちポン酢なども最高です。
合う食材その2:卵
全く理由も何もかもが意味不明なのですが、入江豊三郎本店の本みりんには、どことなく、卵のような風味があります。なぜかわからないけど、本みりんそれだけで、甘い卵焼きのような風味がある本みりんなんです。
この風味が卵と秀逸に合って、ケーキを作ったり、プリンを作ったりするスイーツはもちろん、伊達巻などの和食にもビッタリです。他の本みりんだと、みりんと卵の味が別々に出てくることもありますが、これは本当に一体感がすごいです。
合う食材その3:青魚
広島県をはじめとする、瀬戸内海を囲む地域は、出汁は、小さなイワシの煮干し、いりこの出汁を使うところが非常に多いです。ですから、入江豊三郎本店の本みりんは、いりこ出汁に合わないわけがありません。そもそも、それに合わないと売れません。
その、いりこ出汁に合うことから派生させていくと相性が良いのが、イワシ、アジなどの青魚です。
特に、イワシのポン酢煮などが最高です。もちろん、いりこ出汁でつくるめんつゆも最高ですし、いりこが特に合う、たけのこの若竹煮などもおいしく仕上がります。
合う食材その4:白身魚、鶏肉
入江豊三郎本店の本みりんは、風味がおだやかなので、淡泊な食材でも十分に引き立てることができます。
そういえば、入江豊三郎本店がある鞆の浦の名産品のひとつに鯛がありました。たしかに相性が抜群です。この場合は、お酒も併用し、うすくち醤油を用いた方が美味しくしあがります。
入江豊三郎本店の本みりんは、風味がおだやかなので、淡泊な食材でも十分に引き立てることができます。
そういえば、入江豊三郎本店がある鞆の浦の名産品のひとつに鯛がありました。たしかに相性が抜群です。この場合は、お酒も併用し、うすくち醤油を用いた方が美味しくしあがります。
そのほかの調味料にもこだわりたい人へ
調味料を様々に集めて感じたのは
全ての基本になるのは、【地元の特産品がよく合う!】ということです。
日本酒ではよく言われる、海に近い酒蔵のお酒は魚に合うし、山中の酒蔵のお酒は山菜や肉によく合う。醤油でも味噌でも本みりんでも、結局は同じでした。その土地の郷土の食に密着した仕上がりになっていました。
本みりんも然り。全国の調味料から良いと思うものを集めるよりも、基本の原材料の特産地に合わせて選んだり、ひとつの地域から集めるのが結局は美味しかったです。
調味料の基本の原材料だけまずは把握して、そこから自分が料理の軸にしたい地域から集めていくのがよいのではないでしょうか。